更新日: 2026年3月15日
家族の借金が発覚したときの対処法と保証人リスク
「夫(妻)に多額の借金があることがわかった」「親の借金が相続されるかもしれない」 ――そんな不安を抱えている方へ。家族の借金に関する法的責任と具体的な対処法を解説します。
重要なご注意
本記事は一般的な法律知識の提供を目的としています。個別の案件については、必ず弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。法律の解釈は個々の状況によって異なる場合があります。
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家族の借金に返済義務はあるか
原則:家族の借金を返済する義務はありません
借金はあくまで「借りた本人」と「貸した側」の契約です。配偶者・親・子・兄弟であっても、連帯保証人になっていない限り返済義務はありません。
ただし、以下の場合は返済義務が生じます
| ケース | 返済義務 | 解説 |
|---|---|---|
| 連帯保証人になっている | あり | 債務者と同等の返済責任。全額請求される可能性あり。 |
| 保証人になっている | あり | 催告の抗弁権・検索の抗弁権はあるが、最終的には返済義務あり。 |
| 借金を相続した | あり | 死亡後3ヶ月以内に相続放棄しなければ借金も相続。 |
| 日常家事債務(夫婦間) | 場合による | 日常の生活費のための借入は配偶者にも責任が及ぶ場合あり。 |
| 保証人でも相続人でもない | なし | 法的な返済義務はない。取り立てに応じる必要もない。 |
連帯保証人の責任と対処法
連帯保証人と保証人の違い
| 権利 | 保証人 | 連帯保証人 |
|---|---|---|
| 催告の抗弁権 「まず本人に請求して」と言える権利 | あり | なし |
| 検索の抗弁権 「本人の財産から回収して」と言える権利 | あり | なし |
| 分別の利益 保証人が複数いる場合に分割できる権利 | あり | なし |
連帯保証人の怖さ:連帯保証人は、本人に十分な財産があっても、債権者から直接全額を請求されることがあります。「名前を貸しただけ」という認識は通用しません。
連帯保証人になってしまった場合の対処法
対処法1:主債務者に債務整理を促す
本人が任意整理や個人再生を行えば、返済額が減り保証人の負担も軽減されます。債務整理の種類はこちら
対処法2:自分も債務整理を検討
保証債務の返済が困難な場合は、連帯保証人自身も任意整理や自己破産を検討。弁護士に相談しましょう。
対処法3:分割返済の交渉
債権者と交渉して、分割返済を認めてもらえるケースもあります。弁護士を通じて交渉するのが効果的です。
配偶者の借金が発覚した場合
まず冷静になる
感情的になって責めると、本人が借金を隠したり、さらに借入を重ねるリスクがあります。まずは事実確認に集中しましょう。
借金の全容を把握する
借入先、総額、金利、月々の返済額を全てリストアップ。信用情報機関への開示請求(本人の同意が必要)で正確な情報を取得できます。
安易に肩代わりしない
肩代わりは根本的な解決にならず、再び借金するリスクが高い。債務整理(任意整理など)の方が経済的に合理的な場合が多いです。
専門家に相談する
弁護士や司法書士に無料相談し、債務整理を含めた最適な解決策を検討。法テラスなら経済的に困窮している方の法律相談は無料です。
再発防止策を講じる
家計の見える化、カードの管理、定期的な家計会議など、再発防止の仕組みを作りましょう。
親の借金が発覚した場合
大前提:親の借金を子が返済する法的義務はありません(連帯保証人でない限り)。貸金業者が「子供なら払え」と請求してきても、応じる必要はありません。
親が存命の場合
親が亡くなった場合
相続放棄の期限は3ヶ月!
親が亡くなったことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所で相続放棄の申述をしなければ、借金を相続してしまいます。期限に注意してください。
相続と借金 〜相続放棄の方法〜
3つの選択肢
| 選択肢 | 内容 | プラス財産 | 借金 | こんな場合に |
|---|---|---|---|---|
| 単純承認 | 全てを相続 | 相続する | 相続する | プラス財産が借金より多い |
| 限定承認 | プラスの範囲で借金を返済 | 相続する | プラス分まで | 借金額が不明 |
| 相続放棄 | 全てを放棄 | 放棄 | 返済不要 | 借金がプラス財産より多い |
相続放棄の手続き
期限:死亡を知った日から3ヶ月以内
申述先:被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
費用:収入印紙800円 + 郵便切手数百円(弁護士に依頼する場合は5〜10万円程度)
必要書類:相続放棄申述書、被相続人の除籍謄本、申述人の戸籍謄本など
注意:相続放棄する前に遺産を使ってしまうと「単純承認」とみなされ、相続放棄ができなくなります。遺産には手を付けないでください。
借金の全額を把握する方法
| 信用情報機関 | 登録されている情報 | 手数料 | 開示方法 |
|---|---|---|---|
| CIC | クレジットカード、信販系ローン | 1,000円 | Web/郵送/窓口 |
| JICC | 消費者金融、信販系 | 1,000円 | Web/郵送/窓口 |
| 全国銀行個人信用情報センター | 銀行ローン、住宅ローン | 1,124〜1,200円 | Web/郵送 |
※本人が亡くなっている場合は、法定相続人が開示請求可能。戸籍謄本等が必要。
家族の借金問題の解決方法
方法1:任意整理(最も多いケース)
弁護士が債権者と交渉し、将来利息をカット。元金のみを3〜5年で分割返済。家族への影響が最も少ない方法です。任意整理の詳細
方法2:個人再生(借金が多い場合)
裁判所を通じて借金を1/5〜1/10に減額。住宅ローン特則を使えば住宅を手放さずに済みます。個人再生の詳細
方法3:自己破産(返済不能な場合)
借金がゼロになりますが、一定の財産は処分。免責不許可事由(ギャンブル等)がなければ認められます。自己破産の詳細
方法4:過払い金の確認
2010年以前に消費者金融から借入があった場合、過払い金が発生している可能性があります。過払い金で借金が減ったり、返金されることもあります。過払い金の詳細
※相談は何度でも無料です
再発防止のためにできること
家計を「見える化」する — 家計簿アプリ(マネーフォワード等)で収支を共有。隠し借金を防ぎます。
定期的な家計会議 — 月1回、夫婦で家計の状況を確認。お互いの収支を把握し合いましょう。
クレジットカードの枚数を制限 — カードを減らして支出をコントロール。家族カードを活用するのも有効。
貸付自粛制度の利用 — 日本貸金業協会の「貸付自粛制度」に申告すると、本人名義での新規借入を制限できます。
FPに家計相談 — 第三者の専門家に家計を診断してもらい、無理のない家計計画を立てましょう。FP無料相談はこちら